短期集中講座-初等整数論入門

全8コマ程度 受講料28,000円(税込み)

2023年6月23日作成

目標と背景説明

数に親しみ数学に興味を持てるように基本の基本から始めて高校数学教科書では扱わない数学の基本、初等整数論へ入門できるところまで解説いたします。

数の不思議な性質、面白さを分かるような基本の題材を選び、現代的な数学への入り口を知ることができるようにします。大学に入学しても必修科目では教えてもらえない内容もあるかもしれません。

けれど、その必修科目の理解に役立つことばかりで、大学受験においても役立つ内容です。それは数学の基本である整数論は他の分野とのつながりを多く持ち、その動機や出題の背景にもなりやすい内容だからです。

とはいえ、それは副次的な話であくまでも本講座の目的は、数の不思議、面白さを知ることです。もちろん受講対象は学生に限りません。巨匠ガウスの二つの名言を引用しましょう。「数学は科学の女王であり、数論は数学の女王である」「数論の法則は、目に見えて現れるものだが、その証明は宇宙の闇に深く横たわっている」

つまり、なんでこんなに不思議できれいな法則が数の世界では成り立つのだろう?と感じられる内容を数論では学べます。そして数の世界で成り立つそれらが、すなわち物理の世界、自然科学全般、宇宙でも成り立っている(より深遠な原理に寄っている)らしいということをガウスは述べているのでしょう。

下記の授業計画で「紹介」と書いてある箇所は入門段階では証明が難しいので紹介に留めます。ただ、そのような題材がありどのような内容かを知るだけでとても興味深く、その先の学習につながる題材です。その他の題材は、解説と証明を行います。

使用する教材

基本的に口頭・板書での解説となります。必要に応じてプリントの配布、WEBページ、参考文献の紹介をします。

授業計画

1.(授業0.66コマ)

約数、倍数、余り、素数、素数の無限性

2.(授業0.66コマ)

最大公約数、最小公倍数、ユークリッドの互除法

3.(授業0.66コマ)

ユークリッド、素数ふるいと素数判定法、算術の基本定理の紹介

4.(授業0.66コマ)

合同式の基本

5.(授業0.66コマ)

フェルマーの小定理 \(a^{p-1}\equiv 1\pmod p\)

6.(授業0.66コマ)

フェルマー、フェルマーの最終定理の紹介

7.(授業0.66コマ)

\(\varphi\)関数、オイラーの定理 \(a^{\varphi (n)}\equiv 1\pmod n\)

8.(授業0.66コマ)

オイラー、分割数、五角数定理、バーゼル問題の紹介

9.(授業0.66コマ)

基本公式 \(\sum_{d|n} \varphi(d)=n\)

10.(授業0.66コマ)

ガウス、円分多項式、平方剰余の相互法則の紹介

11.(授業0.66コマ)

素数定理、リーマン、リーマン予想の紹介

12.(授業0.66コマ)

約数関数\(d(k)\)、床関数\([n]\)、基本公式 \(\sum_{k=1}^{n} d(k)=\sum_{k=1}^{n} [n/k]\)

\(\sum_{d|n} \varphi(d)=n\)と\(\sum_{k=1}^{n} \varphi(k)[n/k]=n(n+1)/2\)の同値性の紹介

質疑応答の時間をたっぷりと取りたいと思います。

※授業内容が変更される場合もあります。